当院は、低用量ピルの活用と、ワクチン接種に力を入れています。
理由は、"女性の健康で快適な生活を守るためにとても役に立つ"からです。
1.低用量ピルとは?
ピルは、もともと避妊のために開発されたものですが、現在では、月経痛を楽にし、月経を順調にし、体調とメンタル面を安定させ、お肌をきれいにする「便利なツール」として活用されています。
ピルには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)というふたつの女性ホルモンが、最初からバランスよく含まれています。
1日1錠ずつピルを飲み続けることによって、体のなかの女性ホルモンのバランスが徐々に安定していきます。
低用量とは、「ホルモン量がとても少ない」という意味で、飲みやすく、安全性も確立されているので、特別な大きな病気(心筋梗塞や血栓症など)がなければ、誰でも安心してのめる薬です。
ピルをのんでいる間は、排卵はお休みしており、女性ホルモンの大きな変動もなくなるので、安定した体調ですごせるようになります。
ふつうののみ方は、3週間ピルをのみ、1週間お休みです。お休みの間にプラゼボ(にせの薬)を飲むようにセットされているピルもあります。ホルモンのお休みの間に血液中のホルモン濃度は下がり、それにともなって子宮内にためられていた子宮内膜(ふわふわした赤い粘膜)がはがれ、静かに排出されます。月経のような出血ですが、ふだんの月経よりも量も少なく、痛みもとても少なくなります。
ピルをのむ期間を3週間ではなく2週間、あるいは4週間にして、その後プラセボの入ることもできます。=月経調節。旅行や出張などの予定とあたるときには、自分で月経をずらせるのでとても便利ですね!
2.ピルの値段
当院では、どのピルも1シート2,500円(税込)です。学生さんには、学生証を提示していただければ、学割値段で1シート2,100円(税込)でお分けしています。
当院で置いているのは、マーべロン28、オーソ21、シンフェーズ28、オーソ777、トリキュラー28、アンジュ28です。
ピル処方にかかるお金は、初診料(カルテ作成、医師の問診、血圧測定、飲み方説明)3,000円とお薬代のみです。カルテのある方は、再診料とお薬代のみです。
ピル処方に必要な検査は、問診と血圧測定のみと世界的に確認されています。
3.ピルのメリット・デメリット
ピルは、1960年に発売されて以来、世界中の女性に飲まれてきました。これまでに何十億人もの女性がじょうずに利用しており、その間のデータは膨大で、これほど研究されてきた薬はないと言われています。
ですから、1999年に日本で発売されたときには(世界で最後、北朝鮮よりも遅かった!)これほど進化した薬を、完全に確立されてから利用できる日本女性は、かえって幸せだと諸外国のドクターたちに言われました。
しかし、現在まだ日本女性のピル利用率は、4~5%と言われています。諸外国、ドイツ、フランス、アメリカなどの先進国の利用率は30~60%で、特に10代後半~20代の若い女性たちは70~80%が利用していると言われています。日本女性も、あと10倍の人が上手に飲んでもいいですよね!
現在、日本では、ピルは、確実な避妊のためよりも、月経痛の改善薬として、月経量を減らし貧血を改善する薬として、また子宮内膜症の治療薬として(ルナベルという保険適応になったピルがあります)利用されているケースが多いのですが、ほかに、月経前症候群や月経不順を治療したり、にきびの治療や、プレ更年期症状の緩和などにもとてもよく効くので、10代から40代まで、とても便利に使われています。
デメリットは、ホルモンに敏感な人には、のみはじめに吐き気がしたり、頭痛や倦怠感、むくみが出ることがあること。(数日~2週間ぐらいで消えます) それが「ピルは一度試してみたけどダメだった」と思っている人が多い原因かもしれません。
でも、ホルモンの種類やホルモンの量が変わると、楽にのめることが多いので、ぜひ別のピルもためしてみてください。
命にかかわるような(心筋梗塞など)副作用は、10万人に1人以下です。
4.ピルの応用、新しい超低用量ピル
ルナベルは、オーソ21という、月経量をとても減らし、子宮内膜症や過多月経、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症に効くピルを、女性たちのグループが製薬会社や大学と共同して「保険適応薬」として厚生労働省に認可してもらったピルです。残念ながら、3割負担だと薬の自己負担分が2,400~2,500円と、自費のピルとほとんど変わらない値段になってしまいました。でも、内膜症で苦しむ女性たちが、子宮内膜症の世界の第一選択薬である低用量ピルを、保険薬として使えるようにした功績は大きいです。
もちろん当院でもルナベルを処方しています。「子宮内膜症による月経困難症」の診断をされた方は、医師に保険で処方してもらってください。かわりにオーソを自費で出すこともできます。自費薬なら6か月分(6~7シート)まで処方可能です。
進化したピル、ヤーズは、2010年11月に発売されました。これは、低用量の約3分の2のエストロゲン(エチニルエストラジオール)量のピルで、黄体ホルモンもこれまでのものと異なりますので、とても飲みやすいのが特徴です。これも、月経困難症の保険適応薬として発売されました。しかし、もともとは、諸外国で避妊用ピルとして使われている薬で、もちろんきちんと飲んでいる限り、避妊効果も高く保てます。
頭痛やむくみが少ないので、頭痛やむくみが出やすい人もいいと思います。月経前症状(PMS)にも効きます。
発売後1年間は1シートずつしか処方できませんでしたが、2011年10月からは制限がはずれ、3シートずつ処方も可能です。
5.アフターピル、EC(緊急避妊ピル)
今年とうとうモーニングアフターピル(緊急避妊ピル)ノルレボが発売されました!
これは、今までのアフターピルが、ヤツぺ法といって、中用量ピル(ホルモン量が多いピル)を2錠ずつ2回内服するという、とてもきつい(吐き気や頭痛、倦怠感などが出やすい)ものだったのに対し、ノルレボは、レボノルゲステレルという黄体ホルモンだけを含んでおり、副作用がとても少ないのが特徴です。
それも、1回だけ内服すれば終了です!
避妊が不確実と思われる性交の後、72時間以内に1回だけ内服すれば、予定外の妊娠を防ぐことができます。
(欠点は、薬が高いこと!卸価格が、薬剤代一万円という値段です!)
当院では、ヤツぺ法は10,000円、ノルレボは20,000円(税込)です。
緊急事態が生じたら、躊躇せずお電話くださいね。72時間以内の、診療時間ならいつでも対応可能ですので。
でも、できたらふだんからピルを飲む、あるいはミレーナやマルチロードなどの子宮内避妊具を入れておいたら、ずっとお得だし安心です。ピルは月2,500円、ミレーナは5年間で73,500円だから、1か月にすると1,200円ちょっとです。(マルチロードはその半分の値段~)
ワクチンについて
子宮頸がんの予防ワクチンが、ようやく日本でも両方の種類が発売されました。一昨年発売のサーバリックス、今年8月発売のガーダシル。どう違うの?という疑問にお答えするべく、ふたつのワクチンの比較表を作ってみましたのでご覧ください。
簡単にいえば、HPV16型と18型の2価ワクチンのサーバリックスは、子宮頸がん予防効果が特に高いと考えられており、16,18型に6型、11型という尖圭コンジローマの原因になるHPVワクチンが含まれているガーダシルは、広くHPV感染を防ぐ、と考えられます。
当院での値段は、サーバリックスが3回で50,000円、ガーダシルは53,000円。東京都中央区の公費負担の方は(区がこれらの費用をすべて出してくれます)、もちろん無料で、対象は、中学1年~高校2年生です。ただワクチンを打って終わりではなく、将来の子宮頸がん予防、性感染症予防の知識と意識、検診や相談が受けやすい環境を、子どもたちに伝えましょう。
「健康を守る意識」は、親が娘に伝えられる、とても大事な教育であり文化でもあります。ワクチンによるがん予防は、新しい時代の新しい文化でもあるのです。
新しい小児用ワクチンについて
世界では、子どもたちに、将来の病気を防ぐ種々のワクチンを打ってあげることが常識になっています。WHOやFDAなどの世界の保健をリードする機関が、子どもたちに打っておきたいグローバルスタンダードなワクチンの一覧を作って推奨していますが、日本のワクチン行政やワクチン意識は、30年ぐらいずっと止まったまま。将来、留学したり海外で仕事したりの可能性の高いお子さんには、やはり小さいうちに打ってあげたいですね。
(ちなみにアメリカのサマーキャンプも、ワクチンを打っていないという理由で断わられることがあります)
日本の小児科医が推進しているVPD(ワクチンで防げる病気)ワクチンの一覧を以下にあげます。当院では、ワクチンにとても情熱を持っているやさしい男性小児科医、松永先生が、小児科外来(木曜日午前)でワクチン接種と検診をやっていますので、どうぞお問い合わせくださいね。
ワクチン値段
| |
種別 |
価格 |
| 定期接種 |
三種混合(DPT) |
¥6,300 |
| 二種混合(DT) |
¥4,200 |
| 日本脳炎 |
¥6,300 |
| 麻疹 |
¥5,250 |
| 風疹 |
¥5,250 |
| BCGのみ |
¥5,250 |
| 任意接種 |
水痘 |
¥7,350 |
| おたふく |
¥5,250 |
| 破傷風トキソイド |
¥2,100 |
| HBワクチン(ビームゲン) |
¥5,250 |
| HAワクチン(エームゲン) |
¥8,400 |
| MRワクチン(麻疹・風疹) |
¥10,500 |
| Hibワクチン(アクトヒブ) |
¥8,400 |
| プレベナ(小児肺炎球菌ワクチン) |
¥10,500 |
子宮頸がん予防ワクチン比較
◆ 一昨年 発売された子宮頸がんワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)です。
こちらは、16型、18型の最も子宮頸がんを引き起こしやすいタイプのHPV(ヒトパピロマーウィルス)に対する免疫をつけます。 16型と18型の2つのタイプだけで、何と
全世界の子宮頸がんの原因の7割を占めているのです。
◆ サーバリックスは、世界113ヶ国、特にイギリスなどで使われており、16型、18型に対する免疫力(抗体価)が強くつくことで信頼されています。
当医院では、
中央区の中学1年~高校2年生の女の子は無料(公費負担、区が費用を負担します。)、
自費接種の場合は、1回18,000円、6ヶ月の間に3回接種しますので
3回分一括払いなら、50,000円です。
これで一生有効と考えてください。
◆ それでは、今度8月25日に発売された4価ワクチン(ガーダシル)は、どう違うのでしょうか?
1980年代 HPVワクチンを発見したツアハウゼン博士は、実は最初に6型と11型を外陰部のイボ=尖圭コンジローマから、そしてその後子宮頸がん組織から16型と18型を発見したのでした。
この4つのHPVタイプに対するワクチンをカクテルしたものが、ガーダシルです。ですから、こちらは、子宮頸がんに対する予防効果以外に
がんにならないけれども性感染するイボを予防する効果も合わせて期待できます。
いかにがん化の心配はないとはいえ、性器に出来るイボイボは、精神的にもつらいもの、恥ずかしい気持ちや自責の念とともに、人にうつすのではないかと心配にもなります。実際、お産のときに赤ちゃんに感染すると、呼吸器乳頭腫症という、のどに出来て気道をふさいでしまうイボを発生させることもあるのです。
当医院では、中央区の中学~高校生の女の子に対しての公費負担はサーバリックスと同様に、
自費接種の場合は1回20,000円、3回分で53,000円です。
◆
高校生以上~40代ぐらいまでの成人女性も、これまで性交の経験があっても、誰もが予防接種を打つ価値があると推奨されています。
将来のあなたの健康を守るために、ぜひ おとなの女性もワクチンを打ちましょう!
(その際に、まず検診を受けるとか、HPVの検査を受ける必要はありません。
インフルエンザワクチンと同じように、問診のみで筋肉注射します。)
緊急避妊とは?
緊急避妊とは、避妊の失敗が起こった可能性がある場合に、事後に妊娠を防止する方法です。
「モーニングアフターピル」とも呼ばれます。
レイプされた、コンドームがやぶれた、はずれたなど、妊娠の不安がある場合、72時間以内に受診して緊急避妊ピルを処方してもらいます。
受診後すぐに2錠を飲み、その12時間後にさらにあと2錠、飲みます。
アフターピルを使用する方へ
アフターピルとは避妊せずに性交した場合に、緊急避妊として性交後に妊娠を防止する方法のことです。
当クリニックでは、2種類の薬から選択ができます。
■中用量ピル(プラノバール)
72時間以内に2錠内服し、その後、
12時間後にさらに2錠内服してください。
副作用として、吐き気、嘔吐、不正性器出血、乳房緊満、頭痛、めまい、疲労感などがあります。
避妊効果は、75%前後です。
料金は、
10,000円です。
(診察料、服薬指導および今後の避妊に関する相談料も含む)
■ノルレボ
2011年5月より発売された緊急避妊剤。『ノルレボ』という黄体ホルモン剤を性交後、
72時間以内に2錠内服します。
副作用として、不正性器出血、頭痛、吐き気、嘔吐、疲労感、めまいなどがありますが、中用量ピルよりも副作用の程度が低いことが期待されています。
避妊効果は84%です。
料金は、
20,000円です。
(診察料、服薬指導および今後の避妊に関する相談料も含む)
《作用機序》
排卵を抑制する、受精を妨げる、子宮への受精卵の着床を阻止するなどのメカニズムで妊娠を回避すると考えられています。
《注意点》
性感染症を防ぐことはできません。
万が一、お薬をはいてしまった場合は、早めにクリニックへご連絡ください。
*今後も妊娠を希望されない方は、経口避妊薬(低用量ピル)や子宮内避妊具などの普段からの使用をお勧めします。どうぞ、遠慮なくご相談ください。